Grace Life Talk 第2回ゲスト:剱持 睦子さん

さまざまな分野で活躍する女性を「人生の先生」としてお迎えし、福島由美が聞き手となってお話を伺うインタビュー連載。第二回目のゲストは、「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」理事長、剱持 睦子さんです。

三田にある「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」にお伺いしました!

認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)とは、1994年の創立以来、開発途上国の子どもたちにワクチンを贈り、ワクチンで助かる小さな命を守る活動を続けている民間の国際支援団体です。
いつも優しい笑顔でボランティア活動を続ける剱持さんに、活動を始められたきっかけからお伺いしました。

剱持さんとボランティアの関わりは?


剱持 私は上智大学の卒業生なので、ソフィア会(上智大学同窓会)の運営に携わっていたんです。
元々はドイツ文学科の卒業生で勉強会を作っていて、そこがよくオーガナイズされているからということで、ソフィア会にお声がけ頂いて、役員になりました。
おかげで細川ご夫妻(元首相の細川護煕氏・佳代子夫人)をはじめ、色々な出会いに恵まれましたね。上智はそういったボランティアに関わっている方が多かったかな。

福島 細川佳代子さんに誘われて、ボランティア活動を始められたんですか?

剱持 「剱持さん! スペシャルオリンピックス日本・神奈川の理事になって!」って佳代子さんに突然言われて。ソフィア会の理事もやってて、大忙しになりました。

福島 スペシャルオリンピックスというのは、確か、知的発達障がいのある方たちのオリンピックですよね。

剱持 オリンピック、身体に障がいのあるアスリートの為のパラリンピック、そして知的発達障がいのある人たちの為のスペシャルオリンピックス(SO)ですね。
SOは元々は、アメリカのケネディ大統領の妹で、ユニス・ケネディ・シュライバーさんが、お家のお庭を開放して知的障がいのある子ども達がスポーツをする機会をつくったことから始まったんです。彼女のお姉さん、ローズマリー・ケネディさんに知的障がいがあったんですね。
スペシャルオリンピックスには競技会もありますけど、日常のスポーツトレーニングプログラムを大切にしていて、週に1回以上の練習会を実施しています。だからオリンピックス、と複数形で呼んでいます。
日本では1994年に細川佳代子さんが会長となって、熊本から活動が始まり、全国に拡がりました。

福島 実は私の娘も、発達に特性があると言われています。

剱持 軽い方ほど苦労が多いようですね。知的発達障がいの方たちは、いろいろな素晴らしい能力や、感情を持っているのに、それをなかなか表に出せないのよね。日本はその分野においては後進国です。

細川佳代子さんの思いをつないで


剱持 スペシャルオリンピックスの活動を、佳代子さんと、三井さん(故・三井 嬉子さん)、近衞さん(近衞甯子さん)といっしょに続けて行く中で、今は佳代子さんの思いを次世代につないでいくのがわたしの使命なの。

福島 「世界の子どもにワクチンを」の活動も、細川さんから引き継がれたんですよね。

剱持 そうです。1993年に京都で「子どもワクチン世界会議」というのが開かれたんだけど、そこで先進国は開発途上国の子どもへ必要なワクチンなどを供給しなければならないという「京都宣言」が採択されました。では具体的に誰がどうやって募金団体を作るか、というのに、佳代子さんがその場で「はい! 日本は私がやります!」って手をあげちゃったの。
彼女なりに、日本は敗戦国だけど、欧米諸国から粉ミルクやワクチンを貰って、みんな大きくなれた。そのご恩返しを、いつか他の国にしていかなければならない、という思いがあったらしいのね。「今こそその時だ!」って手をあげられた。

奥寺憲穂事務局長にも、JCVの活動について詳しく教えて頂きました

福島 本当に微々たるものですが、私もCherishCycleの収益の10%をご寄付させて頂いております。

剱持 ありがとうございます。金額の大小にかかわらず、続けてくださることがいちばん有難いです。ポリオワクチンはわずか20円で一人の命が救えるんです。
2005年、ソフトバンクホークスの和田毅投手が「僕のルール」と宣言して、試合で1球を投じるごとにポリオワクチンを10本、勝利した試合は1球ごとに20本、完封勝利はそれを40本、という風に決めて、毎年ご寄付くださっていたんです。
これに共感した企業や多くの団体の皆様から、それぞれで決められた「僕のルール」でご寄付をいただくことが増えました。京都の都タクシーさんでは、1,000km走るごとにワクチン1本。原宿のお菓子屋さんのコロンバンさんでは、原宿ロールが1本売れるごとにワクチンをご寄付くださっています。

福島 そうなんですね。コロンバンさん、オフィスの近所だから買いに行かなきゃ! 
企業でそうやってボランティアに参加すると、働く人もやり甲斐がありますね。タクシーの運転手さんも「今日のこの仕事が、さらにワクチンにつながるんだ!」って。

剱持 日本空手道協会さんは面白い「僕のルール」を考えてくださって、大会で子どもたちが獲得したポイントを1ポイントにつき20円に換算してワクチンにご寄付くださいました。
他にも、書き損じのはがきや使用済みの切手、テレホンカードなど、色々なものでご寄付いただけます。ペットボトルキャップを集めて、回収業者さんに引き取って貰って、その利益の一部をご寄付頂いたりね。
幼稚園に、その説明に伺ったら、小さい子が「このキャップを溶かしてワクチンにするの?」って聞かれたの。可愛いでしょ(笑)

福島 可愛い〜(笑) 実際には、個人だったらスーパーや薬局なんかの回収ボックスにボトルキャップを入れたりして、その売却益が寄付されるんですよね。

剱持 そうです。常時支援国はミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの4カ国。緊急支援国として、ソマリアやマダガスカルなどにも贈りました。
ワクチンは冷蔵して現地まで届けなければいけない。車で遠くの村まで何時間もかけて持っていったり、それでもたどりつけない場所には保冷ボックスを背負って歩いて届けたりするんです。
ワクチンは途切れず、継続することが大事。集団免疫を獲得する為に、今年の子は接種できた、来年の子どもには届けられなかった、では駄目なんです。

スーパーなどでよく見かける回収ボックス。実はこれがワクチンになるんです!

一歩一歩、小さなことを長く続けて

福島 今、課題として、もっとこうしたことを広めたい、という思いはおありですか?

剱持 一歩一歩。小さなことを長く続けて頂きたい。お金をかけて大きなことを私達がするんじゃなくて、支援者の皆様が、拡げてくださったらと思います。
とにかく、急がず一歩一歩です。その為にお話に伺うのと、長く続けてくださった方に御礼に伺うのが私の役目なの。そうして佳代子さんの思いを次世代に繋げていくのが私の使命なんです。

福島 日本は海外に比べて、ボランティア活動に関心はあるけど実際に参画される人が少ない、と聞きますが……

剱持 あら、そうなんですね。この事務所には若い方だけではなくて、年配の方もよくボランティアに来て下さいますよ。皆さん、ボランティア募集のサイトを見て知ってくださるみたい。(事務局のある)港区民の方もいらして、切手やはがきの仕分けなんかを手伝ってくださいます。

福島 実際のボランティアの現場は、活気のある感じなんですね。剱持さんご自身が、積極的にボランティア活動に参画されるのは、細川さんの影響があったからですか?

剱持 教会関係でボランティア活動はよく参加していました。「For Others, With Others(他者のために、他者とともに)」(カトリック・イエズス会の教育精神に基づく理念)って、神父様達がそうおっしゃるでしょう。「何の為にそれをするのか」というのは考えずに、それが当たり前だと思って育ちましたね。
でも、スペシャルオリンピックスの活動も、ワクチンの活動も、子どもを育てながらでした(笑)

福島 日々の色々な場面で、目の前にいる人にも、遠くの国にいる子どもたちにも、自然に親切な気持ちでいられるよう、私も心がけます。今日は貴重なお話をありがとうございました。

認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)
https://www.jcv-jp.org/

公益財団法人 スペシャルオリンピックス日本
https://www.son.or.jp/

プチギフト大好き!
由美の手土産 今回の「ゆみやげ♡」は…

事務局にお伺いするので、個包装のお菓子をチョイス。
揚げ饅頭で有名な「御門屋」さんの詰め合わせ。北海道産の希少小豆「しゅまり」を使った上品なあげまんじゅうと、おかきのセットです。ボランティアにいらした皆さんにも、休憩時間に召し上がって頂けたら嬉しい!

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